はじめに
統計やデータサイエンスの学習では、専門用語や定義が難しく、資格試験でも頻出の「生存分析」は特に覚えにくい分野です。
そこで今回は、AIを活用して制作した「生存分析のうた」を紹介します。
音楽のリズムに合わせて用語と定義を記憶し、楽しく正確に理解できるコンテンツをお届けします。
AIを活用した楽曲制作
本楽曲は、生成AIであるChatGPTを用いて歌詞を作成し、音楽生成AIツール「Suno AI」によって楽曲を作曲しました。
テンポは150BPMの電子ポップで、シンセとクラップビートを基調とした男性ボーカル仕様です。
リズミカルなフレーズ構成で、聞きながら自然に統計の基礎を覚えられる構成になっています。
タイトル・歌詞の紹介
🎵 曲のタイトル
生存分析のうた
🎶 歌詞
生存時間はイベントまでの時間
生存関数はイベントなしで生きている確率
ハザード関数は瞬間のイベントのリスク
累積ハザードは今までのリスクの総和
ハザード率は単位時間での事象のリスク
打ち切りはイベント起きなかった場合
打ち切りデータは欠損値じゃない 分析に含めて扱うべき
カプラン・マイヤー法は曲線推定 リスクとイベント段階で計算
直前の生存確率に 1 – イベント/リスク数
ログランク検定は群の差を検定 非パラメトリック 形にとらわれない
比例ハザードモデル 時間に対し一定の比 影響要因 効果を評価
楽曲の視聴
- 🎧 YouTube
- 🎧 Suno AI
生存分析のうた(Suno AI)
歌詞の解説
生存時間
生存時間とは、「ある対象がイベント(死亡や故障など)を経験するまでにかかる時間」を指します。
たとえば、手術後に再発が起こるまでの日数などが該当します。
生存関数
ある時点 t よりも長く生存している確率を表すのが生存関数です。
\(S(t) = P(T > t)\)
ここで、T は生存時間の確率変数です。
たとえば、手術後90日以上生存する確率などを求めるときに使われます。
ハザード関数
ハザード関数は、「時点 t において、まだ生存しているときに、次の瞬間にイベントが発生するリスクの高さ」を表します。
\(h(t) = \lim_{\Delta t \to 0} \frac{P(t \le T < t + \Delta t \mid T \ge t)}{\Delta t}\)
「今この瞬間に起こる確率がどのくらいか」を見る指標です。
累積ハザード関数
累積ハザード関数は、時点 t までに積み重なったリスク(ハザード)の合計を表します。
\(H(t) = \int_0^t h(u) , du\)
ハザード関数を時間にわたって足し上げたものです。
ハザード率
ハザード関数とほぼ同義で使われますが、「単位時間あたりの事象発生リスク」という言い方もされます。
「一定時間にどのくらいの割合でイベントが起こるか」を見るための指標です。
打ち切り
打ち切りとは、「観察が終了した時点でイベントが起きていない場合」にデータを途中までしか得られないことを指します。
たとえば、「研究終了までに死亡しなかった人」などです。
これは欠損ではなく、適切に分析に含めるべき情報です。
打ち切りデータ
上記の通り、打ち切りデータは「情報が一部得られている」データであり、完全な欠損値(何もわからない)とは違います。
カプラン・マイヤー法などではこの打ち切りを考慮して分析します。
カプラン・マイヤー法
生存曲線を求めるための代表的な方法です。
以下の式で、生存関数 S(t) を段階的に推定します。
- ti:イベントが起こった時点
- di:その時点でのイベント数
- ni:その時点で生存していた人数(リスク集合)
生存率は、前の時点までの生存率に、新たな時点での「生き残る割合」をかけて求めます。
ログランク検定
複数のグループにおいて、生存曲線に違いがあるかどうかを検定する方法です。
たとえば、「薬Aと薬Bで生存期間に差があるか」を調べることができます。
分布の形を仮定しない「非パラメトリック」な方法であることも特徴です。
比例ハザードモデル(コックス回帰)
このモデルでは、ある変数がハザード(リスク)にどのような影響を与えるかを推定します。
\(h(t|X) = h_0(t) \exp(\beta X)\)- h(t∣X):変数 X を考慮したときのハザード
- h0(t):基準のハザード関数(共変量なし)
- β:各変数の影響度
「時間が経っても、影響(ハザード比)が一定である」=比例ハザード性という前提に基づいています。
楽曲に込めたメッセージ
この歌には、「暗記ではなく、理解しながら覚える」ことをテーマとした構成が含まれています。
統計検定や医療統計、機械学習における生存分析の基礎を、耳から学べるよう工夫しました。
視覚・聴覚・身体の記憶を融合させることで、試験本番でも選択肢の判断に迷わなくなることを目指しています。
まとめ
「生存分析のうた」は、AIを活用した学習の新しいかたちです。
難解な統計用語や数式も、リズムと歌詞によって自然に覚えることができます。
資格試験や実務に活用できる知識として、ぜひ繰り返し視聴・活用してみてください。
今後も、さまざまな統計・データサイエンス分野の教育楽曲をシリーズ化予定です。
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